MBA医師の開業大作戦(その1)「そもそもどのようなクリニックを作りたいのか?」

開業計画 その1

クリニック開設となると「場所は?」「お金は?」「スタッフは?」などと、色々な決定事項が迫ってきますが、そもそもそんな事よりもまずは

「どんなクリニックを作り、どのような医療を、誰に提供したいのか?」

を明確にしなければその後の決定事項の整合性もとれなくなってしまいますし、何よりもクリニックを開設した後の経営方針にもブレが生じてしまいます。現在何となくめぼしい地域の診療圏調査なども参考程度には行っていますが、まずはクリニックのコンセプトとビジョンをハッキリさせようと思いました。[read more=”続きを読む” less=”閉じる”]

「なぜ開業するのか?」を考えなければいけない

あまりにも当たり前のことですが「なぜ開業するのか?本当に開業したいのか?」をよくよく考えてみないといけません。医師の場合「勤務医に疲れたから開業」「今の勤務先ではこれ以上の出世もなさそうだから開業」などの”なんとなく開業”の人も実際にいます。

しかし、これからのクリニック経営は20~30年前と違い経営環境が厳しくなっていくことが予想されるので安易な開業は人生を破滅させる可能性もあります。多額の借金をして開業しよう(私は絶対にしませんが)と考えている方は特に慎重に自問自答してみることをお勧めします。

私の場合

「純粋に臨床が好き」

「町医者のように地域の色々な方の健康相談にのってアドバイスしてあげたり治療してあげて喜んでもらえるのが好き」

ということもあり、開業をするのはやはり自分の人生において新たな生きがいを生み出せるのではないかと考えています。勤務医でも患者さんに喜んでもらうことはできるのですが、自分の理想としている医療を理想としている形で届けるのは不可能です。やはり勤務先の経営者の意向に従わざるを得ないので。

クリニックのコンセプトを考えよう

当院のコンセプトは

「気軽に受診できる健康相談所」

です。誰でも健康上の不安があると誰か専門家に話を聞いてみたい、相談してみたいと思うものです。しかし、現実には専門家が友達や家族にいる人は少ないですから、「ちょっと気軽に相談」というわけにはいきません。

普段の勤務先の外来でも健康上の不安を抱えて来院された方の中には、しっかりと説明をしてあげただけで「安心しました!!」と笑顔で帰って行かれる方もたくさんいるのです。そのようなニーズに応えられるようなクリニックを作りたいです。

ビジョンは

  • 患者の健康管理を支援する
  • 患者に適切な情報を提供する
  • 患者と従業員に笑顔をもたらす

です。

私はこれまで大学病院などの多忙な急性期病院をはじめとして、在宅診療所や様々な医療機関で勤務をしてきました。その際にとても印象的だったのが、医師以外のコメディカル(看護師、薬剤師など)もみなさん非常に熱心な方が多く、患者さんの病気を良くするために必死に働いている姿でした。

しかし、あまりの激務に耐えられず体調を崩したり子育てとの両立ができなくなり経験を積んだ優秀なスタッフが職場を離れていく姿を幾度となく見て、

「良い人材を大切にし、幸せになって欲しい」

と強く思いました。そして自分が開業してスタッフを雇う立場になったら必ずスタッフも幸せになれるようなクリニックにしようと考えてきたのです。

ですから当院のビジョンとして

「患者と従業員に笑顔をもたらす」

という文言を入れることにしました。

市場のニーズにマッチしていないと意味がない

クリニックのコンセプトは大体見えてきましたが、具体的にどのように開業戦略を実行していくのか慎重に見極めなければなりません。クリニックを利用される患者層とその地域のニーズを良く見極めたうえで上記のビジョンを実行していくためにはマーケティングが必要です。どんなに立派な理想を掲げ人のためにと頑張っても、消費者(クリニックなら患者)がそれを求めていなければ意味が無いのです。

次回はマーケティングとして立地の選定に関してご報告させていただきます。[/read]

投稿者: Dr.ひろ

内科医として大学病院、地域中核病院、小規模クリニック、在宅医療、自由診療と様々な医療を経験。大学病院時代は基礎研究にも従事。現在はフリーの内科医として都内で診療にあたる。 みなさんが健康を意識し維持できるように、医療・健康に関わる情報を解りやすく身近なものとして提供したいと考えています。そのための手助けになれれば嬉しいです。/ 医師(日本内科学会認定内科医、日本血液学会血液専門医)/ 医学博士(内科学, 東京大学)/ MBA(経営管理学修士, 名古屋商科大学)/ 産業医/ 合同会社スケールフリー代表社員